みなかみユネスコエコパーク

「みなかみ町の自然とくらし」はみなかみユネスコエコパークの取組の一環として、みなかみ町の自然の特徴や人と自然とのかかわりなどについて部門ごとにわかりやすくまとめた本です。

この本は利根川源流に位置するみなかみ町の豊かで貴重な自然、そしてその自然と上手につきあいながら暮らしてきたみなかみ町の姿を町内外の多くの人に知っていただき、みなかみの自然を誇りに思っていただくことを目的に作成されたものです。

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第1章 みなかみの自然の特徴

気象・地形・地質

谷川連峰が属する越後山脈は日本の中央分水嶺の一部です。そのため、みなかみ町は、日本海側と太平洋側の気象条件の移行帯となっており、町の北部と南部では気温、降水量や積雪量、日照時間などに大きな違いがある四季に富んだ町となっています。また、これらに起因して多様な地形地質が生み出され、北部では豪雪地帯特有の周氷河地形や、一ノ倉沢に代表される険しい岩壁などが見られるほか、谷川岳山頂で結晶片岩が見られるなどの特徴があります。

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第2章 気象
第3章 地形・地質
一ノ倉沢

水と温泉

利根川の最初の一滴を生み出すみなかみ町は首都圏の水瓶と称され、大小7つのダムと13箇所の発電所が設置されています。蓄えられた水は、利水、治水、発電などに利用され、首都圏3,000万人の暮らしを支えています。近年は豊富な水を活かしたアウトドアスポーツも盛んです。また、町内には90本を超える源泉から豊富な温泉がわき出ています。宿泊施設を伴う温泉地は18箇所にものぼり、「みなかみ18湯」と称され観光の中心となっています。

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第4章 水環境
みなかみ18湯

動植物

みなかみ町にはその特徴的な気象条件や地形地質により、多種多様で貴重な動植物が生息しています。植物では、谷川岳・至仏山固有種のホソバヒナウスユキソウや、世界自然遺産の白神山地と同様の植生を持つ原生的な日本海型ブナ林をはじめ、1500種類を超える植物が生育しています。また、イヌワシやクマタカなどの大型猛禽類などのアンブレラ種といわれる動物も生息しており、生物多様性が保全されている証となっています。

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第5章 植物
第6章 菌類 キノコ
第7章 動物
イヌワシのつがい
ブナの森
クマタカ
ホソバヒナウスユキソウ

人と自然とのかかわり

みなかみ町に暮らす人々は、昔から山や川といった自然を相手に働きかけ、得られる恵みを上手に利用し、農業や林業などを営んできました。現在はそれに加え、自然散策やハイキングなどのレクリエーションや、エコツーリズムやアウトドアスポーツなどの観光産業にも自然が活かされ、働きかけの対象を変えつつ多様化しながら現在も人と自然の共生が連綿と続いています。

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第8章 人と自然との関係
環境学習
ラフティング
エコツーリズム
たくみの里

保全と活用

群馬県と新潟県の県境山岳地域には、手つかずの自然や原生的な森林、変化に富んだ地形が広がっており、「上信越高原国立公園」や「利根川源流部・燧ヶ岳周辺森林生態系保護地域」に指定されるなど、様々な法令等により厳重に保護されています。また、みなかみ町は平成20年に「みなかみ・水・『環境力』宣言」を行い、水や森林を初めとする豊かな自然環境を「まもり、いかし、ひろめる」取組を推進しています。このすばらしい自然やこれまでの取組が認められ、ユネスコエコパークに登録されました。

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第9章 保全と活用
一ノ倉沢の大岩壁(日本三大岩壁)