みなかみユネスコエコパーク

利根川源流のまち、
水と森林と人を育むユネスコエコパーク

わたしたちは、地域の最大の宝であり資源である自然や景観、水をはじめとするたくさんの森林の恵みを未来を担う子供たちにつないでいかなくてはなりません。

大切にまもられてきた自然環境に感謝しながら、自然と人間が共生する持続可能なまちづくりを行うため、水と森林を育み、それを「まもる・いかす・ひろめる」力を携えた「人」を育むユネスコエコパークをめざします。

登録の目的

利根川の最初の一滴を生み出す群馬県みなかみ町。

東京都心から1時間ちょっとで訪れることができる距離にもかかわらずここには日本を代表する貴重な自然が数多く残されています。

みなかみ町は、地域の大切な資源であり宝である豊かな自然と上手につきあいながらまちづくりを展開してきました。これまでの取組を継続、発展させ、人と自然が支え合い、ずっと続いていく地域となるために、2017年6月14日ユネスコエコパークへ登録となりました。

みなかみ町全景

概要

みなかみユネスコエコパークは群馬県の最北端に位置するみなかみ町を中心として、隣接する新潟県魚沼市、南魚沼市、湯沢町の一部から構成されています。総面積は91,368ha、その90%以上が森林となっており、標高約300~2,000mの間に位置しています。

このエリアは、日本を代表する大河川である、流路延長322km(日本第2位)、流域面積16,840キロ㎡(日本第1位)の利根川最上流域に位置しており、日本の首都・東京を中心とした、人口・経済において世界最大規模である東京都市圏の約8割、3,000万人の生命とくらしを支える水の最初の一滴を生み出しています。

大水上山(利根川水源)

みなかみユネスコエコパークの特色

群馬県と新潟県の境界の山稜一帯は、太平洋側と日本海側の大気がぶつかり合う日本の脊梁山脈、すなわち中央分水嶺となっており、世界でも有数の豪雪地帯となっています。山岳地域では、冬期の大量の積雪の影響などにより、急峻な岩壁や露岩地に加え、雪食凹地、氾濫原、河岸段丘など特徴的な地形や、周氷河地形などの豪雪地特有の地形を形成しています。また、標高2,000mに満たない地域にもかかわらず氷河の痕跡も確認されています。

これらの特殊な地形・地質や、日本海側と太平洋側の気候条件の移行帯であることなどに起因し、多様で希少な動植物が育まれ、独特の生態系が見られるなどの特徴があります。

源流域(赤谷の森)の空を舞うイヌワシのつがい
原生的な姿を残す奥利根のブナの森
谷川連峰
エリア内の固有種ホソバヒナウスユキソウ

土地利用区分

地域区分地図1 地域区分地図1
地域区分地図2 地域区分地図2

核心地域

手つかずの原生的な自然環境が
利根川の最初の一滴を生みだすエリア

利根川源流部・燧ヶ岳周辺森林生態系保護地域(保存地区)、上信越高原国立高原(特別保護地区及び第1種特別地域)の2箇所を核心地域に設定しています。 2つのエリアはともに群馬県最北部である新潟県との県境に位置し、中央分水嶺を形成する山岳地域であり、利根川の最初の一滴が生まれる最上流域です。 標高約2,000mの山々が連なり、冬季の強い季節風と多量の雪に起因する独特の生態系が原生的な状態で維持されています。

利根川最初の一滴を生み出す大水上山
谷川岳山頂から望む谷川連峰
一ノ倉沢の大岩壁(日本三大岩壁)

緩衝地域

水源涵養機能をはじめ
森林の多様な機能を高めるための
保全管理を行い環境教育・調査研究
エコツーリズム等が行われるエリア

核心地域を厳重に保護するため、核心地域を取り囲むように設定しています。このエリアの大部分が国有林であり、水源涵養機能をはじめとする森林の多面的な機能を高めるための保全管理が行われています。また、谷川岳エコツーリズム推進協議会や赤谷プロジェクト、奥利根水源憲章推進委員会など、各種の協定等により、地域住民や下流域の市民、研究者、NGO等、多様な主体が関わりながら環境教育・調査研究・エコツーリズムなどが進められ、保護と適正な利用が行われているエリアです。

環境学習
調査・研究
一ノ倉沢の大岩壁(エコツーリズム)

移行地域

日々のくらしと経済活動を行う中で
豊かな森と水の持続的な利用を
積極的に行うエリア

みなかみ町内の国有林以外の地域を設定しています。このエリアは、生活の中で守られてきた農村景観、里地・里山がひろがり、豊かな自然の恵みに支えられた伝統文化や農村文化が今なお息づいています。また、温泉、アウトドアスポーツなどの自然の恵みを活かした観光産業が盛んで、様々な条例などにより自然観光資源の適正な保全と活用が進められています。豊かな自然や農村文化、伝統文化を継承し、体験などを通じた環境教育を実践しながら人材育成を図り、持続可能な地域づくりを目指していくエリアです。

アウトドアスポーツ(利根川を下るラフティング)
農村の景観や文化が息づく「たくみの里」
温泉(みなかみ18湯)