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慢性腎臓病(CKD)を予防しましょう

1.腎臓ってどんな働きをするの?

腎臓は、腰より少し上の背中側に左右1個ずつある臓器で、そら豆のような形をしています。

  • 老廃物を排泄
    体内に流れる血液をろ過してきれいにし、取り除いた老廃物を尿と一緒に排泄します。
  • 水分量の調整
    尿の量を調節して体内の水分量を一定に保ちます。
    ナトリウムやカリウムなどの電解質を一定に保つために、尿の成分を調節します。
  • 血液を弱アルカリ性に保つ
    血液を弱アルカリ性に保つために、尿の成分を調節します。
  • 赤血球をつくるホルモンを分泌
    造血刺激ホルモン(エリスロポエチン)を分泌し、骨髄で赤血球が作られるようにします。
  • 血圧を調整
    血圧の調整をするホルモンを分泌し、血圧を適切にコントロールします。
    塩分の排泄も血圧に大きく影響します。
  • ビタミンDの活性化
    ビタミンDを活性化して、カルシウムの吸収を助けることで骨を丈夫にします。

2.慢性腎臓病(CKD)はこんな病気です

慢性腎臓病(CKD)は、腎臓が傷ついたり、機能低下が起きた状態をいいます。
次の1、2のいずれか、または両方が3か月以上続く状態です。

  1. たんぱく尿がでるなどの腎臓の異常
  2. 腎臓の働きを示す糸球体ろ過量(GFR)が60ml/分/1.73㎡未満
    日本における患者数は、成人の8人に1人と推計され、新たな国民病ともいわれています。

3.CKD発症の原因は?

CKDの原因は、加齢と慢性糸球体腎炎、腎硬化症など、さまざまな病気がありますが、最近では生活習慣病による慢性腎臓病が増えています。生活習慣や肥満により高血圧症、糖尿病、脂質異常症になると動脈硬化がすすみ、CKDを発症させたり、進行させたりします。また、脳卒中や心筋梗塞などのリスクも高まります。

4.腎臓は「沈黙の臓器」です

初期の段階では自覚症状はほとんどなく、知らず知らずのうちに進行するため、進行してから気づくことが多いです。適切な治療を受けずに放置してしまうと、腎不全へ進行し、透析療法や腎移植が必要になる場合があります。

5.進行すると、こんな症状がみられます

貧血、倦怠感、息切れやむくみが出てきます。これらの症状が自覚されるときは、すでにCKDがかなり進行している場合が多いといわれています。

6.CKDを防ぐためには

腎機能は、一度低下してしまうと回復させることが難しいとされているため、早い段階で腎機能低下に気づき、進行をおさえることが大切です。


健康診断で早期発見! 腎臓が悪くなっているか確認する。
健康診断等の尿検査や採血の結果(eGFR)でわかります。結果を確認してみましょう。
CKD重症度分類
※eGER(推算糸球体ろ過量)について
腎臓のろ過機能を数値に表した推算値で腎機能の状態が簡易的にわかります。特定健診でも検査しています。(単位:ml/分/1.73㎡)
eGERが60未満の方は、生活習慣や食事を見直し、高血圧、高血糖などがあればきちんと治療を受けましょう。


早期治療!生活習慣病の治療・管理が腎臓を守ります
糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病の人は、治療を継続することが大切です。高血圧では普段の血圧が高ければ高いほど、糖尿病ではHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワンシー)が高ければ高いほど、CKDの発症の危険性が高まります。毎日の生活習慣や食事、血圧・血糖のコンロトールを適正に行うことで、CKDの進行を抑えることができます。

7.腎臓をいたわるポイント

生活習慣を見直し、腎臓に不必要な負担をかけないことが大切です。生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防や改善、減塩、禁煙をこころがけましょう。

■食事

塩分の取りすぎや食べ過ぎに注意しましょう。塩分の取りすぎが高血圧につながります。高血圧は、腎障害を引き起こしてCKDの原因となり、一度CKDが発症すると高血圧が重症化する悪循環となります。また、適切なエネルギー量の栄養バランスの整った食事を心がけ、1日3食を規則正しくとりましょう。

■運動

適度な運動で肥満を予防しましょう。日常生活で体を動かすことが大切です。消費エネルギーを増やすことで、内臓脂肪が減りやすくなり、高血圧、糖尿病、脂質異常などが改善されます。
※すでにCKDが進行している人には、運動が好ましくない場合もあります。

■禁煙

喫煙者は腎臓病になりやすいだけでなく、動脈硬化を進行が早まり、脳卒中や心筋梗塞などにもかかりやすくなります。